トップダウン設計を正確に実行するために、CT撮影で取得した顎の骨の三次元データを使い、コンピュータ上でインプラントの配置をシミュレーションします。
このデジタル診断により、骨の厚さや高さ、神経・血管の走行位置を正確に把握したうえで、最も安全かつ理想的な埋入ポジションを割り出すことができます。
「どこに骨があるか」だけでなく、「どこに埋めれば最終的な歯が最も良い状態になるか」という観点で、手術計画を立てます。
インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を装着する治療法です。
チタンには「骨結合(オッセオインテグレーション)」と呼ばれる性質があり、手術後3〜6ヶ月をかけて顎の骨と一体化します。
この生物学的な結合によって、人工歯根が顎の骨にしっかりと固定され、自分の歯で噛んでいるのと近い感覚を得ることができます。
歯を失った場合の治療には、インプラント以外にも入れ歯やブリッジという選択肢があります。
それぞれに長所がありますが、インプラントには他の治療法にはない特徴がいくつかあります。
ブリッジは失った歯の両隣の歯を削って土台にしますが、インプラントは独立して顎の骨に固定されるため、周囲の健康な歯に一切負担をかけません。
入れ歯のような違和感や、食事中に動く不安定さがなく、固定式で自然な使い心地です。
歯を失うと、その部分の顎の骨は噛む力による刺激がなくなり、徐々に痩せていきます。
インプラントは骨に直接力を伝えるため、骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できます。
インプラント治療には、顎の骨に人工歯根を埋め込むための外科手術が必要です。
手術時間は本数によりますが、1本あたり30分〜1時間程度です。手術後はリカバリールームで休んでいただき、体調が安定してからご帰宅いただけます。
インプラント治療は、手術後3〜6ヶ月をかけて顎の骨と一体化するため、治療期間が数ヶ月にわたります。
この期間中は仮の歯を使用していただくため、見た目や食事に大きな支障はありません。骨との結合が確認できたら、人工の歯を製作し装着します。
インプラント治療は、自費診療のため費用が高額になります。
費用は埋め込む本数、使用する材料、必要な処置(骨造成など)によって異なりますが、一般的に1本あたり40万円〜60万円程度が目安です。
一般的なインプラント治療では、「骨が十分にある場所」を優先してインプラントを埋入することがあります。
しかし、骨の条件だけで位置を決めてしまうと、最終的に装着する人工歯の形や角度が不自然になったり、噛み合わせに無理が生じたりすることがあります。
「トップダウン設計」とは、最終的な歯の形から逆算して、インプラントの位置を決めるアプローチです。
まず、補綴専門医が「最終的にどのような形・位置・噛み合わせの歯を作るか」を先に設計します。
そのゴールに対して、インプラントをどの位置に、どの角度で、どの深さに埋め込むべきかを逆算して決定します。
つまり、「骨に合わせて歯を作る」のではなく、「理想の歯に合わせてインプラントを埋める」という考え方です。
この順序で設計することにより、機能面(しっかり噛める)と審美面(自然な見た目)の両方を高い水準で実現できます。
トップダウン設計を正確に実行するために、CT撮影で取得した顎の骨の三次元データを使い、コンピュータ上でインプラントの配置をシミュレーションします。
このデジタル診断により、骨の厚さや高さ、神経・血管の走行位置を正確に把握したうえで、最も安全かつ理想的な埋入ポジションを割り出すことができます。
「どこに骨があるか」だけでなく、「どこに埋めれば最終的な歯が最も良い状態になるか」という観点で、手術計画を立てます。
インプラント治療は、一人の歯科医師だけで完結する治療ではありません。
当院では、最終的な歯の形を設計する補綴専門医、インプラントの埋入手術を行う外科医、そして人工歯を作製する歯科技工士がチームを組み、治療の各段階で情報を共有しながら進めます。
当法人には12人の歯科技工士が常駐する院内技工所があり、歯科技工士が直接患者様の口腔内を確認し、補綴専門医と綿密にやり取りしながら人工歯を作製します。
外部の技工所に委託する場合に比べて、設計意図が正確に反映されやすく、完成した人工歯の適合精度も高くなります。
治療はまず、患者様のお口の状態と全身の健康状態を詳しく把握することから始まります。
CT撮影、口腔内スキャン、レントゲン検査、噛み合わせの分析などを行い、骨の量や質、神経の位置、残っている歯の状態を正確に診断します。
検査結果をもとに、インプラントの本数・埋入位置・角度を決定し、骨を増やす処置(骨造成)が必要かどうかも判断します。
治療計画、予想される治療期間、費用について十分にご説明し、患者様にご納得いただいてから治療を開始します。
手術は専用の個室で行います。
通常は局所麻酔のもとで処置を進めますが、手術への不安が強い方には、麻酔科医による「静脈内鎮静法」を併用することも可能です。
静脈内鎮静法では、意識がぼんやりとした状態になり、恐怖心や緊張が大幅に軽減されます。
手術では歯茎を切開し、顎の骨にインプラント体を埋め込みます。
手術時間は本数や難易度によりますが、1本あたり30分〜1時間程度です。
術後はリカバリールームで体調が安定するまで休んでいただき、問題がなければ当日中にご帰宅いただけます。
インプラント体を埋め込んだ後、骨と結合するまでに3〜6ヶ月の治癒期間が必要です。
この期間中は仮の歯を装着するため、見た目や日常の食事に大きな支障はありません。
治癒期間中も定期的にご来院いただき、経過を確認します。
骨との結合が十分であることが確認できた段階で、最終的な人工歯の製作工程に入ります。
骨との結合が完了したら、補綴専門医の設計に基づいて人工歯を作製し、装着します。
法人の院内技工所で作製するため、色調・形態・噛み合わせの微調整をその場で行うことができ、精度の高い仕上がりを実現します。
装着後は噛み合わせの状態を丁寧に確認し、違和感や不具合がないかを患者様と一緒に確認しながら、必要に応じて調整を行います。
ここまでご説明してきたインプラント治療は、失った歯の本数に応じて1本ずつインプラント体を埋め込む方法です。
しかし、すべての歯を失っている方、あるいは残っている歯のほとんどが重度の歯周病で保存が難しい方の場合、失った歯の本数分のインプラントを1本ずつ埋入するのは、身体的にも経済的にも大きな負担になります。
オールオン4は、このような方のために開発された治療法です。
片顎あたり4〜6本のインプラントを顎の骨の中でバランスよく配置し、その上に一体型の人工歯列(フルブリッジ)を固定します。
最少4本のインプラントで片顎すべての歯を支えるため、1本ずつ埋入する方法に比べて、手術の侵襲が少なく、治療期間と費用の両面で負担を軽減できます。
オールオン4の大きな特徴の一つは、手術当日に仮の歯を装着できることです。
当院ではこの即日荷重のアプローチを「ワンデイインプラント」と呼んでいます。
通常のインプラント治療では、インプラント体を埋め込んだ後、骨と結合するまでの3〜6ヶ月間は仮歯のない状態、あるいは取り外し式の仮の入れ歯で過ごすことになります。
ワンデイインプラントでは、インプラントの埋入手術と仮歯の装着を同日に完了するため、手術当日から固定式の歯で帰宅することができます。
手術当日の流れは、まず朝にご来院いただき、全身状態の確認と手術準備を行います。
麻酔科医の立ち会いのもとでインプラントの埋入手術を実施し、手術後に仮歯の装着と噛み合わせの調整を行って、その日のうちに治療が完了します。
当法人の院内技工所が併設されていることで、手術中に採取した情報をもとに歯科技工士がその場で仮歯を調整・製作でき、即日装着が実現します。
この体制は、外部の技工所に依頼する医院では難しい当院ならではの強みです。
オールオン4は、次のような状態の方に適した
治療法です。
ただし、オールオン4にも適応条件があります。
顎の骨の状態によっては骨造成が必要になる場合や、全身疾患によって即日荷重が適さない場合もあります。
精密検査のうえで、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案します。
手術当日に装着する仮歯は、あくまで治癒期間中に使用するものです。
インプラント体と骨が十分に結合したことを確認した後(通常3〜6ヶ月後)、最終的な人工歯列に置き換えます。
最終的な人工歯は、補綴専門医の設計に基づき、当法人の院内技工所で精密に作製します。
噛み合わせ、歯の色調、歯並びのバランスを丁寧に調整し、機能面でも審美面でも自然で美しい仕上がりを目指します。
治療完了後は、通常のインプラント治療と同様に、定期的なメンテナンスによってインプラント周囲炎を予防し、長期的な安定を維持していきます。
当院には、日本口腔インプラント学会認定医、および日本臨床歯科口腔インプラント評価機構の認証認定医・認証専門医が在籍しています。
これらの資格は、一定以上の症例経験と専門知識を持ち、学会の厳しい審査に合格した歯科医師にのみ付与されるものです。
インプラント手術は外科処置を伴うため、技術と経験が治療の安全性と成功率に直結します。
学会認定の専門医が手術を担当することで、難症例への対応を含め、安全性の高い治療を提供しています。
当院では、世界的に長い歴史と豊富な臨床実績を持つストローマン(Straumann)社のインプラントシステムを主に使用しています。
ストローマン社のインプラントは50年以上にわたる研究に裏付けられており、10年生存率95%以上という長期的な成功率が科学的に報告されています。
また、世界中の歯科医院で広く使用されているため、万が一転居された場合でも、転居先の歯科医院でメンテナンスを継続しやすいという実用的なメリットもあります。
インプラント治療は自費診療であり、費用は決して安くありません。だからこそ、治療後の安心を長期的に支える保証制度を整えています。
当院では、インプラント体および上部構造(人工歯)に対して、基本的に10年間の院内保証を設けています。
万が一、保証期間内にインプラントや人工歯に問題が生じた場合には、規定に基づいて無償または減額で再治療・修理を行います。
さらに、希望される患者様には、外部の第三者保証機関「ガイドデント」への加入も可能です。
ガイドデントに加入すると、転居などで当院への通院が難しくなった場合でも、全国の提携歯科医院で保証を引き継ぐことができます。
インプラントは人工物であるため虫歯にはなりませんが、周囲の歯茎や骨に炎症が起こる「インプラント周囲炎」のリスクがあります。
インプラント周囲炎は、天然の歯における歯周病と同様に、進行するとインプラントを支える骨が溶け、最悪の場合インプラントを失うことにつながります。
こうしたリスクを防ぐために、当院では治療後の定期メンテナンスを重視しています。
治療を担当した歯科衛生士が継続して担当する「担当衛生士制」を採用しており、インプラント周囲の清掃状態の確認、噛み合わせのチェック、レントゲンによる骨の状態の確認などを定期的に行います。
患者様のお口の状態を長期にわたって把握している衛生士がメンテナンスを行うことで、わずかな変化にもいち早く気づき、問題が深刻化する前に対処することが可能です。

